・約6分で読めます
更新:

OCI Always Free完全ガイド【2026年最新】ARM 4OCPU/24GBを永久無料で使い倒す


PRXサーバー国内シェアNo.1のレンタルサーバー。高速・安定・サポート充実で初心者にもおすすめ。
Xサーバー 公式サイト →

はじめに

クラウドサービスの「無料枠」は多くのプロバイダーが提供していますが、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の Always Free は他社と比べて圧倒的にスペックが高いのが特徴です。

ARM ベースのインスタンスで最大 4 OCPU / 24 GB メモリ が永久無料。個人プロジェクトや副業の開発環境として十分すぎるスペックを、月額0円で使い続けることができます。

この記事では、OCI Always Free の内容、アカウント作成からインスタンス構築、開発環境のセットアップまでを体系的に解説します。

OCI Always Free 枠の全容

2026年時点の Always Free リソース

カテゴリ リソース スペック
コンピュート (ARM) Ampere A1 Compute 最大 4 OCPU / 24 GB RAM
コンピュート (x86) VM.Standard.E2.1.Micro 1 OCPU / 1 GB RAM x 2台
ストレージ Boot Volume 合計 200 GB
ストレージ Object Storage 20 GB
ネットワーク Outbound Data 月 10 TB
データベース Autonomous Database 2インスタンス(各20GB)
ロードバランサー Flexible LB 1インスタンス(10 Mbps)
監視 Monitoring 5億データポイント/月

特筆すべきは ARM インスタンスの 4 OCPU / 24 GB です。これだけあれば、Docker で複数のサービスを同時に動かしても余裕があります。

他社無料枠との比較

プロバイダー 永久無料のコンピュート メモリ ストレージ
OCI Always Free 4 OCPU (ARM) + 2 x86 24 GB + 2 GB 200 GB
AWS Free Tier t2.micro x 1(12ヶ月) 1 GB 30 GB
GCP Free Tier e2-micro x 1 1 GB 30 GB
Azure Free B1S x 1(12ヶ月) 1 GB 64 GB

OCI の優位性は明らかです。AWSやGCPの無料枠は12ヶ月の期限付きですが、OCIのAlways Freeは期限なしの永久無料です。

アカウント作成手順

Step 1: Oracle Cloud の登録ページにアクセス

Oracle Cloud Free Tier にアクセスし、「無料で開始」をクリックします。

Step 2: 必要情報の入力

  • メールアドレス: 個人メールでOK
  • 国/地域: Japan
  • ホームリージョン: Tokyo(ap-tokyo-1)を選択
  • 氏名・住所: 正確に入力

重要: ホームリージョンは後から変更できません。日本国内からの利用なら Tokyo を選びましょう。レイテンシが低く、Always Free リソースも Tokyo で利用可能です。

Step 3: クレジットカードの登録

Always Free のみの利用でもクレジットカードの登録が必要です。ただし、Always Free 枠を超えない限り課金されることはありません。

Step 4: アカウントの有効化

登録完了後、メールで確認リンクが届きます。リンクをクリックするとアカウントが有効化され、OCI コンソールにログインできるようになります。

注意: アカウント停止リスク

OCI の Always Free アカウントには、長期間リソースを使っていないとアカウントが無効化される可能性 があります。以下の対策を推奨します。

  • 定期的にコンソールにログインする
  • インスタンスを停止したまま放置しない
  • 少なくとも月1回はリソースにアクセスする

ARM インスタンスの作成

Step 1: コンソールからインスタンス作成

OCI コンソール → 「コンピュート」 → 「インスタンスの作成」に進みます。

Step 2: イメージの選択

イメージ: Ubuntu 22.04 (aarch64)
シェイプ: VM.Standard.A1.Flex (ARM)
OCPU: 1〜4 (Always Free 合計4まで)
メモリ: 6〜24 GB (Always Free 合計24GBまで)

推奨構成(個人利用):

用途 OCPU メモリ 補足
全リソースを1台に集約 4 24 GB シンプルだが単一障害点
Bot用 + Web用に分割 2 + 2 12 + 12 GB 用途別に分離
Bot用 + Web用 + 開発用 2 + 1 + 1 12 + 6 + 6 GB 最も柔軟

初めてなら 1台に集約 がおすすめです。運用に慣れてから分割を検討しましょう。

Step 3: ネットワーク設定

VCN(Virtual Cloud Network)を新規作成するか、既存のものを選択します。初回は「新しいVCNの作成」を選ぶと、適切なデフォルト設定でネットワークが作られます。

Step 4: SSH キーの設定

SSH でログインするための公開鍵を登録します。

# ローカルで SSH キーを生成(まだ持っていない場合)
ssh-keygen -t ed25519 -C "oracle-cloud"

# 公開鍵の内容をコピー
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub

コンソールの「SSH キーの貼り付け」に公開鍵を貼り付けます。

Step 5: インスタンスの作成

「作成」をクリックすると、数分でインスタンスが起動します。パブリック IP アドレスが割り当てられるので、メモしておきましょう。

ARM インスタンスが作成できない場合

Always Free の ARM インスタンスは人気が高く、リージョンのキャパシティ不足で作成に失敗 することがあります。

対策:

  • 時間を変えて再試行: 深夜〜早朝は比較的空いている
  • OCPU/メモリを減らす: 4 OCPU ではなく 1 OCPU で試す
  • 別リージョン: Osaka (ap-osaka-1) を試す

SSH 接続と基本設定

SSH でログイン

ssh -i ~/.ssh/id_ed25519 ubuntu@<パブリックIPアドレ>

初期セットアップ

# パッケージの更新
sudo apt update && sudo apt upgrade -y

# タイムゾーンの設定
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

# スワップの設定(メモリが少ない場合)
sudo fallocate -l 4G /swapfile
sudo chmod 600 /swapfile
sudo mkswap /swapfile
sudo swapon /swapfile
echo '/swapfile none swap sw 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab

ファイアウォール(Security List)の設定

OCI のデフォルトでは SSH (22) のみ許可されています。Web アプリを公開する場合は、追加のポートを開放する必要があります。

OCI コンソールでの設定:

  1. VCN → サブネット → セキュリティ・リストを選択
  2. 「イングレス・ルールの追加」
  3. HTTP (80) / HTTPS (443) を追加

iptables の設定(OS 側):

# HTTP と HTTPS を許可
sudo iptables -I INPUT 6 -m state --state NEW -p tcp --dport 80 -j ACCEPT
sudo iptables -I INPUT 6 -m state --state NEW -p tcp --dport 443 -j ACCEPT

# ルールを永続化
sudo netfilter-persistent save

OCI では コンソール側のセキュリティ・リストOS 側の iptables の両方でポートを開放する必要があるので注意してください。

Docker 環境の構築

Docker のインストール

# Docker の公式リポジトリを追加
curl -fsSL https://get.docker.com -o get-docker.sh
sudo sh get-docker.sh

# ユーザーを docker グループに追加
sudo usermod -aG docker $USER

# 再ログインして反映
exit
ssh -i ~/.ssh/id_ed25519 ubuntu@<IP>

# 確認
docker --version
docker compose version

Docker Compose で複数サービスを管理

Always Free の ARM インスタンスなら、Docker Compose で複数のサービスを動かす余裕があります。

# docker-compose.yml の例
services:
  app:
    build: .
    ports:
      - '8080:8080'
    restart: always
    deploy:
      resources:
        limits:
          memory: 512M

  nginx:
    image: nginx:alpine
    ports:
      - '80:80'
      - '443:443'
    volumes:
      - ./nginx.conf:/etc/nginx/nginx.conf
    restart: always
    deploy:
      resources:
        limits:
          memory: 64M

  watchtower:
    image: containrrr/watchtower
    volumes:
      - /var/run/docker.sock:/var/run/docker.sock
    restart: always
    deploy:
      resources:
        limits:
          memory: 64M

Python 環境の構築

pyenv で Python をインストール

# 依存パッケージのインストール
sudo apt install -y build-essential libssl-dev zlib1g-dev \
  libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev wget curl \
  libncurses5-dev libncursesw5-dev xz-utils tk-dev \
  libffi-dev liblzma-dev git

# pyenv のインストール
curl https://pyenv.run | bash

# .bashrc に追加
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bashrc
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
echo 'eval "$(pyenv init --path)"' >> ~/.bashrc
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

# Python のインストール
pyenv install 3.12
pyenv global 3.12

# 確認
python --version

venv で仮想環境を作成

# プロジェクトディレクトリの作成
mkdir -p ~/projects/my-app
cd ~/projects/my-app

# 仮想環境の作成
python -m venv .venv
source .venv/bin/activate

# パッケージのインストール
pip install --upgrade pip
pip install -r requirements.txt

デプロイ例 1: FX Bot の 24 時間運用

OCI Always Free は、FX 自動売買 Bot のような 24時間稼働が必要なサービス に最適です。

構成例

┌─ OCI ARM (2 OCPU / 12 GB) ──────────────────┐
│                                                │
│  Docker Compose                                │
│  ├─ bot         (Python Bot 本体)    512 MB   │
│  ├─ watchdog    (死活監視)            64 MB   │
│  └─ nginx       (API公開用)           64 MB   │
│                                                │
│  メモリ使用量: 約 640 MB / 12 GB              │
└────────────────────────────────────────────────┘

Bot の Dockerfile

FROM python:3.12-slim

WORKDIR /app
COPY requirements.txt .
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

COPY . .
CMD ["python", "main.py"]

systemd で自動起動

Docker Compose を systemd に登録しておけば、サーバー再起動時も自動でBotが起動します。

# /etc/systemd/system/fx-bot.service
[Unit]
Description=FX Bot Docker Compose
After=docker.service
Requires=docker.service

[Service]
Type=oneshot
RemainAfterExit=yes
WorkingDirectory=/opt/bot
ExecStart=/usr/bin/docker compose up -d
ExecStop=/usr/bin/docker compose down

[Install]
WantedBy=multi-user.target
sudo systemctl enable fx-bot
sudo systemctl start fx-bot

Bot の具体的な戦略や実装については Oracle Cloud Always Free で FX Bot を 24 時間無料運用する方法 で詳しく解説しています。

デプロイ例 2: Web アプリの公開

Nginx + Let’s Encrypt で HTTPS 化

# Certbot のインストール
sudo apt install -y certbot python3-certbot-nginx

# 証明書の取得
sudo certbot --nginx -d your-domain.com

# 自動更新の設定
sudo systemctl enable certbot.timer

Nginx の設定例

server {
    listen 443 ssl;
    server_name your-domain.com;

    ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/your-domain.com/fullchain.pem;
    ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/your-domain.com/privkey.pem;

    location / {
        proxy_pass http://localhost:8080;
        proxy_set_header Host $host;
        proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
    }
}

運用上の注意点

1. Always Free のまま使い続けるために

OCI には「Always Free」と「有料トライアル($300クレジット)」の2つの無料枠があります。トライアルクレジットが切れた後も Always Free リソースは使い続けられますが、以下に注意してください。

  • 「Upgrade to Paid」を押さない限り課金は発生しない: Always Free アカウントでは有料リソースを作成できないので安心
  • ただし有料アカウントにアップグレードした場合: Always Free リソースを超えるものは課金対象になる

2. バックアップは自分で

Always Free のストレージにはバックアップ機能がありません。重要なデータは以下の方法でバックアップしましょう。

  • Git: コードは必ず GitHub / GitLab にプッシュ
  • Object Storage: データベースのダンプを定期的に保存
  • 外部バックアップ: 重要なデータは別のクラウドにもコピー

3. ARM アーキテクチャの注意点

ARM (aarch64) は x86 とバイナリ互換がありません。Docker イメージやパッケージがARM対応しているか確認してください。

  • Docker Hub: linux/arm64 タグがあるか確認
  • 公式イメージ: nginx, python, node など主要イメージはARM対応済み
  • サードパーティ: ARM未対応の場合はマルチアーキテクチャビルドが必要

4. パフォーマンスの監視

# メモリ使用量の確認
free -h

# Docker コンテナごとのリソース使用量
docker stats

# ディスク使用量
df -h

メモリ使用量が 80% を超えたら、サービスの分散や不要なコンテナの停止を検討しましょう。

まとめ

Oracle Cloud の Always Free 枠は、個人プロジェクトや副業の開発環境として最適な選択肢です。

ポイント 内容
スペック ARM 4 OCPU / 24 GB が永久無料
適した用途 Bot の 24 時間運用、Web アプリ、開発環境
注意点 アカウント無効化リスク、ARM 互換性、バックアップ
コスト 完全無料(有料アカウントにアップグレードしない限り)

月額 0 円で本格的なサーバー環境が手に入る OCI Always Free は、個人開発者にとって知っておくべきサービスです。まずは小さなプロジェクトから始めて、Always Free の可能性を体感してみてください。

関連記事