暗号資産の税金・確定申告ガイド — 会社員が知るべき20万円ルールと節税対策【2026年版】
結論: 年間利益20万円以下なら確定申告不要(ただし住民税は必要)
暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象です。会社員の場合、年間の雑所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要。ただし住民税の申告は必要です。
この記事では、暗号資産の税金の仕組みから確定申告の手順、合法的な節税テクニックまで解説します。
暗号資産の税金の基本
1. 雑所得として総合課税
暗号資産の売却益・交換益は雑所得に分類されます。給与所得など他の所得と合算して税率が決まる「総合課税」方式です。
| 課税方式 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 総合課税(暗号資産) | 雑所得 | 所得が多いほど税率が上がる(累進課税) |
| 申告分離課税(株式等) | 譲渡所得 | 一律20.315% |
※ 暗号資産は株式のような申告分離課税ではないため、高所得者ほど税負担が重くなります。
2. 税率は所得に応じて5%〜45%
所得税の税率(累進課税):
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万〜695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万〜900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万〜4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円〜 | 45% | 4,796,000円 |
※ 上記に加えて**住民税10%**が別途かかります。
3. 課税されるタイミング
暗号資産を保有しているだけでは課税されません。以下のタイミングで課税対象になります。
| タイミング | 課税対象 | 例 |
|---|---|---|
| 売却時 | 売却益 | BTCを購入価格より高く売った |
| 交換時 | 交換差益 | BTCでETHを購入した(BTCの売却扱い) |
| 商品購入時 | 使用差益 | BTCで商品を買った(BTCの売却扱い) |
| マイニング報酬 | 取得時の時価 | マイニングでBTCを得た |
| ステーキング報酬 | 取得時の時価 | ステーキングでETHを得た |
重要: 暗号資産同士の交換(BTC→ETH等)も売却扱いになります。
20万円ルールの正しい理解
会社員の「20万円ルール」
給与所得者(会社員)で、給与所得以外の所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要です。
ただし、以下の点に注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 所得税の確定申告のみ |
| 住民税 | 申告が必要(市区町村に別途申告) |
| 20万円の判定 | 暗号資産以外の雑所得も合算 |
| 医療費控除等で確定申告する場合 | 20万円以下でも申告が必要 |
計算例
年間のBTC売却益: 15万円
副業の雑所得: 3万円
合計雑所得: 18万円 → 20万円以下なので確定申告不要(住民税は申告必要)
年間のBTC売却益: 15万円
副業の雑所得: 8万円
合計雑所得: 23万円 → 20万円超なので確定申告が必要
損益計算の方法
取得単価の計算方法
暗号資産の取得単価は移動平均法または総平均法で計算します。
| 方法 | 特徴 | 届出 |
|---|---|---|
| 総平均法 | 年間の平均取得単価で計算(デフォルト) | 届出不要 |
| 移動平均法 | 購入のたびに取得単価を再計算 | 税務署に届出が必要 |
※ 届出をしなければ自動的に総平均法が適用されます。
総平均法の計算例
1月: 1 BTC を 500万円で購入
4月: 1 BTC を 600万円で購入
8月: 1 BTC を 800万円で売却
取得単価 = (500万 + 600万) ÷ 2 = 550万円
売却益 = 800万 - 550万 = 250万円(課税対象)
損益計算ツールの活用
手動での計算は複雑なため、損益計算ツールの利用を推奨します。各取引所の取引履歴CSV をアップロードするだけで自動計算されます。
主要な損益計算サービス:
- Cryptact: 国内シェアNo.1。対応取引所数が多い
- Gtax: 無料プランあり。シンプルなUI
- クリプタクト: 税理士連携機能あり
各取引所の取引履歴は以下からダウンロードできます。
| 取引所 | 履歴ダウンロード場所 |
|---|---|
| GMOコイン | 「明細」→「取引履歴」→ CSV出力 |
| bitFlyer | 「お取引レポート」→ CSV出力 |
| Coincheck | 「取引履歴」→ CSV出力 |
確定申告の手順
ステップ1: 取引履歴の収集
1月〜12月の全取引履歴を各取引所からCSVでダウンロード。複数の取引所を使っている場合は全て必要です。
ステップ2: 損益計算
損益計算ツールに取引履歴をアップロードし、年間の損益を確定。
ステップ3: 確定申告書の作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でオンライン作成が可能です。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
- 「所得税」を選択
- 「雑所得」→「その他」に暗号資産の利益を入力
- 源泉徴収票の情報を入力(給与所得)
- 各種控除を入力
- 申告書を作成・提出
ステップ4: 納税
申告期限は翌年の2月16日〜3月15日。e-Taxでの電子申告・電子納税が便利です。
合法的な節税テクニック
1. 年間利益を20万円以下に調整
含み益がある暗号資産を売却する場合、年内の利益が20万円以下になるよう分割して売却する方法です。
| 年 | 売却益 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 2026年 | 19万円 | 不要 |
| 2027年 | 19万円 | 不要 |
※ あくまで所得税の確定申告が不要になるだけで、住民税の申告は必要です。
2. 含み損の確定(損出し)
含み損のある暗号資産を年末に売却し、すぐ買い戻すことで損失を確定させる方法です。利益と相殺して課税額を減らせます。
BTC売却益: +30万円
ETH損失確定: -15万円
課税対象: 15万円(20万円以下で確定申告不要に)
※ 暗号資産には株式のような「損益通算」の制限(同一銘柄30日ルール等)がないため、即座に買い戻しても問題ありません。
3. 経費の計上
暗号資産の取引に直接関連する費用は経費として計上できます。
| 経費にできるもの | 例 |
|---|---|
| 取引手数料 | 売買手数料、送金手数料 |
| 損益計算ツールの利用料 | Cryptact等のサブスク |
| 書籍・セミナー費 | 暗号資産関連の学習費用 |
| 通信費(按分) | インターネット料金の一部 |
※ 按分が必要なもの(通信費等)は合理的な比率で計算する必要があります。
4. NISAと組み合わせて資産形成を最適化
暗号資産は税負担が重い(総合課税)ため、投資全体のポートフォリオとしてはNISA(非課税)を軸にし、暗号資産は少額で補完する形がおすすめです。
| 投資先 | 税制 | 推奨配分 |
|---|---|---|
| NISA(つみたて枠) | 非課税 | メイン |
| NISA(成長投資枠) | 非課税 | サブ |
| 暗号資産 | 雑所得(総合課税) | 少額で補完 |
NISAについては 新NISAおすすめファンド → も参考にしてください。
よくある質問
Q. 暗号資産の損失は翌年に繰り越せる?
いいえ。 暗号資産の損失(雑所得の赤字)は翌年以降に繰り越せません。株式の譲渡損失は3年間繰越控除できますが、暗号資産にはこの制度がありません。
Q. 暗号資産と株式の損益は通算できる?
いいえ。 暗号資産は「雑所得」、株式は「譲渡所得」で所得区分が異なるため、損益通算はできません。暗号資産の損失は同じ雑所得内(他の副業収益等)とのみ通算可能です。
Q. 海外取引所の利益も申告が必要?
はい。 日本の居住者は全世界所得に対して課税されるため、海外取引所での利益も申告が必要です。
Q. 暗号資産をもらった場合は?
招待コードの報酬やエアドロップで暗号資産を受け取った場合、受け取り時の時価が所得になります。例えば1,500円分のBTCを招待報酬で受け取った場合、その時点で1,500円の雑所得が発生します(ただし他の雑所得と合算で20万円以下なら確定申告不要)。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 所得区分 | 雑所得(総合課税) |
| 税率 | 所得税5〜45% + 住民税10% |
| 確定申告不要の条件 | 給与所得者で年間雑所得20万円以下 |
| 住民税 | 20万円以下でも申告必要 |
| 損失繰越 | 不可 |
| 株式との損益通算 | 不可 |
| 計算方法 | 総平均法(デフォルト)or 移動平均法 |
| 節税の基本 | 年間利益の調整、含み損の確定、経費計上 |
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※ この記事は一般的な税務情報の解説であり、個別の税務アドバイスではありません。具体的な申告については税理士にご相談ください。
※ 税制は変更される可能性があります。最新の情報は国税庁の公式サイトをご確認ください。
※ 暗号資産取引にはリスクが伴います。価格変動により投資元本を割り込む可能性があります。余裕資金での取引をおすすめします。