半導体価格高騰で気づいた、眠っていた2018年製PCの価値【自作NAS開発記 #2】
家に眠っていた古いPCが、最近気になってしようがない
キッカケだった。メモリの上にホコリが積もった2018年製のデスクトップ、ASUS PRIME H310M-A と Core i3-8350K の組み合わせを引っ張り出してきたのは、Time Machineのバックアップ先がなくて困っていたからだった。
最初は「市販のNASを買えばいいだけだろう」と軽く考えていた。しかし調べてみると、思った以上に高い。そしてその高騰には、ここ数年の半導体事情がそのまま反映されていた。
DDR4メモリが、半年で個人実感で倍近くになった話
今回、中古のDDR4-2666 16GB×2枚(32GB)を探していたときに、ヤフオクで見つけた出品者がちょうどこんなコメントをしていた。
「先週、店頭でDDR4-3200 16GB×2枚組が一時1万円以下になったんですが、それも『半年ぶりの安値』という話でした。」
これは記者の主観ではなく、秋葉原のパーツ価格を追っている「AKIBA PC Hotline!」の実際の記事で確認できた。DDR4-3200 32GB×2枚組が4万円以下、16GB×2枚組が2万円以下で販売されるのは「前年12月以来」という記述があり、これはつまり「安い時期」が本当にレアケースだったということだ。
理由はいくつか言われているが、代表的なものは以下の三つだ。
- AIブームによるHBM需要の急増:データセンター向け高帯域メモリ(HBM)の需要が急拡大し、メーカーの生産ラインがそちらに優先配分されている
- DDR5への生産シフト:主要メーカーがDDR5に生産ラインを切り替えており、DDR4の供給が絶対的に減っている
- 円安の影響:輸入品価格には為替レートも直結する
つまり、DDR4は今や「生産終了が見えてきた旧規格品」というポジションになりつつある。皆さんの手元の古いPCも、そのメモリも、もう一度価値を見直されていいと思う。
市販NASと自作NAS、本当のコストは
今回のプロジェクトで実際に起こった買い物を振り返ってみると、こんな感じだった。
| 項目 | 実際の購入価格 |
|---|---|
| DDR4-2666 16GB×2(中古) | ¥14,400 |
| WD Red 2TB×2(中古・使用時間0時間) | ¥17,000 |
| Crucial P3 Plus 1TB NVMe SSD(中古) | ¥12,000 |
| SATAケーブル 3本セット | ¥699 |
| 合計 | 約¥44,000 |
これに対して、同等クラス(4ベイ以上、RAID1構成)のエントリークラスNASを新規で探すと、本体だけで¥3万〜5万台から始まり、そこにHDDを2本追加すると¥7万〜10万を超えるケースも珍しくない。
もちろん、単純な価格比較だけで語れる話ではない。市販NASには以下のような明確な利点がある。
- 本体の保証とサポートがしっかりしている
- スマホアプリが最初から整っていて使いやすい
- 電源効率が良く、電気代が安い
- 設定に手間がかからない
一方、自作NASには別の魅力がある。
- すでに手元にあるハードを減らさずに活かせる
- Proxmoxで複数のVMを動かして遊べる(単なるNASの枠を超えた遊び場が手に入る)
- トラブルシューティングを通じて、実践的なLinux/仮想化の知識が身につく
この「遊び場としての価値」は、単純なスペック・価格表には出てこない。
今回のゴール
このシリーズでは、以下の構成を目指している。
- Proxmox VE をホストに、既存のWindows環境をVMとして移行(P2V)
- TrueNAS をVM上で動かし、WD Red 2TB×2でミラーリング構成を組む
- MacのTime Machineバックアップ先として運用
- 余裕があれば、Linux検証用VMやDocker遊び場も拡充
ハードウェアは2018年製、スペック上は決して最新ではない。でもそれでも、「動くものを捨てて新品を買う」よりも、「動くものを最大限活かして足りない部分だけ追加する」というアプローチの方が、今の時代には合っていると感じている。
次回は、実際に中古パーツを探していく過程で見えてきた「買っていいものと、避けるべきもの」の見極め方を、実際の出品例を交えながら紹介していきたい。
本シリーズは実際に著者が2026年6月に取り組んだホームラボ構築の記録です。トラブルや失敗も含めて、できるだけリアルに伝えていきます。