中古パーツハンティング記――メルカリ・ヤフオクでの目利き術【自作NAS開発記 #3】
中古パーツでの自作NAS、一番の不安は「外れたらどうしよう」
新品を買うなら選び方で悩むことはあまりない。でも中古でハードディスクやメモリを探すとなると話は別で、「これ本当に大丈夫か?」と手が止まる場面が何度もあった。
この回は、メルカリとヤフオクを行き来しながら実際に使った判断基準を、外した例と当たった例を交えて書いていく。
そもそもの発端は、SSDが240GBしかなかったこと
前回書いた通り、今回土台にしたのは2018年製のPCだ。だが実際に中を開けてみると、積んであったSSDはわずか240GB。OSを入れるだけでほぼ埋まってしまう容量で、NASとして使うにはストレージを足すしかなかった。
最初はメルカリで安く出ていたWD Blueを買ってしまおうかと思った。値段だけ見ればお得に見えたからだ。ただ調べてみると、WD BlueはPC内蔵向けの製品で、NASのように24時間つけっぱなしにする用途は想定されていない。ここで無理に安さを取ると、後で故障して買い直すハメになりかねない。
なので方針を変え、NAS向けのWD Redを2台買ってミラーリング(RAID1)を組む前提で探すことにした。
メモリ選びで実際にあった価格差
同じDDR4-2666 16GB×2枚組でも、見つけた出品の価格幅は想像以上に広かった。
| 出品 | 価格 | 結果 |
|---|---|---|
| ヤフオク(即決) | ¥16,000→¥14,400(クーポン適用) | 見送り |
| メルカリ出品 | ¥16,030 | 見送り |
| ヤフオク(入札0件) | ¥15,800 | 最終的にこちらを選択 |
| WD Blue SN580(NVMe SSDの例) | ¥33,333 | 値上がりすぎ、見送り |
同じようなモノでも2倍以上の価格差がつくことは珍しくない。相場より高いと感じたら、メルカリだけで決めずヤフオクも見比べるようにした方がいい。
WD Redを探すとき、結局見ているのは「使用時間」と「SMART情報」
NAS用のHDDは24時間つけっぱなしが前提だ。見た目や評判だけで選ぶと痛い目を見るので、中古ではCrystalDiskInfoのSMART情報を必ず確認するようにした。出品者がスクリーンショットを載せてくれているかどうかが分かれ目になる。
見ているのは主にこの三つ。
- 使用時間:少ないほど安心。3万〜5万時間を超えてくると寿命ゾーン
- 代替処理済み・回復不可能セクタ数:0なら健全、値が入っていたら要注意
- 電源投入回数:少ないほど電源オンオフのダメージが少ない
実際の比較例
| 出品 | 使用時間 | 判断 |
|---|---|---|
| WD Red 4TB×2(¥28,800) | 約9,350〜9,375時間 | 良好(約1年使用) |
| WD Red 2TB×2(¥17,000) | 0時間 | 最適。ほぼ新品同然 |
| WD Red 2TB×2(¥11,990) | 53,212時間 | 要注意。寿命ゾーン入り |
同じような値段でも、使用時間の差は五万時間以上ある。結局、使用時間0時間のWD Red 2TB×2を¥17,000で買った。安定性と価格の両方で一番納得できる選択だった。
「動作未確認品」は即座に見送るべき理由
途中で見つけたWD Blue 4TB(¥7,300)は、出品者が自ら「動作未確認品です。ご理解の上購入して下さい。」と明記していた。
値段の良し悪し以前に、出品者本人が動作を保証していないということだ。数千円払って届いたのがガラクタだった、というオチはさすがに避けたい。すでにWD Redで方針を固めていたこともあり、この出品は見送った。
WD RedとWD Blue、見分け方のコツ
同じWestern Digital製品でも、用途によって作りが違う。
| WD Blue | WD Red | |
|---|---|---|
| 想定用途 | PC内蔵向け | NAS向け |
| 24時間連続稼働 | 非推奨 | 対応 |
| 振動対策 | なし | あり |
| NASware | なし | あり(NASware 3.0) |
商品説明に「NASware 3.0搭載」と書いてあればWD Red、なければWD Blue=PC用と見ていい。最初にWD Blueで妥協しなくて良かったと今でも思う。
AliExpressの激安WD Redには手を出さなかった
もっと安いWD RedがAliExpressにも出ていたが、これは見送った。
- 偽物リスク:ロゴだけ貼った互換品が実際に存在する
- SMART値の書き換えリスク:使用時間を0時間に見せかけられる可能性
- 保証の難しさ:壊れても交換・返金の交渉が難しい
データを預けるパーツだからこそ、安さより入手先の信頼度を優先した。
今回の実購入パーツリスト
| パーツ | 入手先 | 価格 | 選んだ理由 |
|---|---|---|---|
| DDR4-2666 16GB×2 | ヤフオク | ¥15,800 | 未使用に近い・実績あるブランド |
| WD Red 2TB×2 | メルカリ | ¥17,000 | SMARTで使用時間0時間を確認 |
| Crucial P3 Plus 1TB NVMe | ヤフオク | ¥12,000 | 575時間使用・信頼できるブランド |
| Core i7-8700 | メルカリ | ¥5,500 | TDP65Wでサーバー用途に最適 |
今回落ち着いた選び方の基準
一連の買い物を通して、結局はこの5つに落ち着いた。
- ブランドは信頼できるか(無名ブランドはCPU/SSD/HDDでは避ける)
- 動作確認の記載があるか(「未確認」は即見送り)
- HDDはSMART情報のスクリーンショットがあるか
- 用途に合ったシリーズか(NASにはWD Red、PCにはWD Blue)
- 同価格帯の他の出品と比較したか(相場を知ることが一番の中古対策)
次回は、ここで揃えたパーツで実際にProxmoxをインストールするところを、つまずいたポイントも込みで紹介する。